腎臓病(特に猫)の早期発見を
2010 / 08 / 31 ( Tue ) 15:17:14
今日は、慢性腎臓病について書きたいと思います。
高齢になったら、犬は心臓病、猫は腎臓病と言われるほど、猫は、腎臓病になりやすいです。


さて、腎臓病にならないために、まず、家で出来る事。(犬・猫 共通)

①カニカマ、ハム、かまぼこ、ソーセージなどの練りもの類。
かつお節(おかか)、にぼし(いりこ)など。
を、与えない!

高濃度の塩分が含まれます。
また、動物用ふりかけ、うまみの強いフードも、高濃度の塩分が含まれる可能性があります。

高濃度の塩分は、若いころは、体ががんばって排泄するので、目立った症状は出ないでしょう。
しかし、人間でも、高濃度の塩分をとることで、いろいろな病気を起こすことは知られています。
高濃度の塩分を長年摂取することで、内臓は壊れてきます。
代表的な例として、心臓や腎臓に負担をかけます。

人が感じて、塩っぱくないからでは無く、フード以外の塩分摂取は控えましょう。

そもそも日本人は、塩分を摂取しすぎと言われていますから、私たち人間の感覚で、動物に接していると、過剰な塩分摂取を与えていることになります。

そして、良質な食事を選択すること。
動物が好んで食べるからと言う基準で選んでいると、どうしても、味が濃いものを好むので、ついつい、味が濃い食事を選ぶこととなってしまいます。


②獣医師専用フードは、かかりつけの獣医師から処方してもらい、定期的に指導を受けること。
治療食は、本来は、動物病院の診察を受け、定期的な指導のもと使う食事です。
治療目的で、いろんな栄養素をいじくっています。
ペットショップなどで、手軽に購入できるようにすると、問題の出る可能性があるため、動物病院専用となっております。

*かかりつけではない病院で気軽に購入する。
*知人より分けてもらう。

など、やめましょう。

なので、当院では、
「他にかかりつけがあるが、療法食はこれを食べているので・・・。近くなんで、買いに来ました。」と来られても、
「当院で診察をしないと、責任を持って処方できません。連れて来て頂けますか?」と、お断りさせていただいております。
売ってしまえば、儲かるかもしれないけれど、私は、売るのではなく、処方していると言う信念から、獣医師としてのプライドを持って、そういう対応をさせていただきます。

しっかりと、大切に動物の管理している病院では、処方量と消費量、そして、その経過まで、きちんと考え、健康管理と指導をしています。

実際、定期的検査を受けずに、療法食を購入(定期検査を進めなかった獣医師側にも問題あり)して、与え続けた結果、人為的に腎臓病を作ったと言う症例もあります。


③十分な飲水が出来る環境を、整えてください。
飲み水は、しっかり好きなだけ、飲めるように。
(獣医師の指導のもと、飲水を、制限されている場合を除く)


④動物の様子をしっかり観察すること。
昔と比べて、なんとなく、お水を飲む量が増えていないか?
昔と比べて、なんとなく、尿の量が多くなったり、薄くなっていないか?
(暑いときは、もちろん飲水量が増えるので、生理的にそのようなことを起こします。)


⑤定期的に、病院で検査を受けること。
たとえば、1年に1回の検査でも、人間と比べて寿命が短いので、4~5年に1回のペースであると言うことを理解しましょう。(かかりつけの病院の推奨する検査のタイミングを尋ねて、相談しましょう。)

可能な限り、病院を変えない。
検査の数字は、そのとき見てわかる場合もありますが、微妙な場合は、過去のデーターと照らし合わせることもあります。
また、血液検査などは、検査する機器によって、多少の数字のずれがあります。



*腎臓病は、生活習慣以外に、他の病気(心臓病、甲状腺機能亢進症、アジソン病、腫瘍、結石、感染症、その他さまざまな病気の合併症として)によって、引き起こされていることがあります。
その場合は、元の病気の治療もあわせて行います。



では、病院ではどのような検査をするのか?
まず、ここで話題にしたいのは、初期の腎臓病です。

進行すると、食欲不振、元気の低下、吐き気(吐きもどし)、末期になると、痙攣、昏睡まで、なるケースもあります。
初期では、食欲不振も無く、飼い主様の観察力だけでは、ほとんどわからないレベルです。
実際は、飲水量の増加と、尿量の増加が起きていますが、ゆっくり期間をかけて進行するので、なんとなくその生活パターンになれて、気づかれないケースがほとんど。


初期の腎臓病では、血液検査でわからないことがあります。
血液検査でわかるには、腎臓の細胞が2/3以上壊されてからです。
その前に、わかる方法があるのです。

それが尿検査です。
腎臓病は、腎臓細胞が壊れることによって、血液を濾過したあとの液(原尿)を、濃縮する能力が落ちている状態です。
もちろん、濾過能力も落ちているのですが、それは、代償反応として、体は何とか老廃物を出そうと、少ない腎臓の細胞に対して、むちを打って、血圧を無理やり上げて、搾り出そう(濾過)とします。

なので、血液が異常をきたすのには、もう少し、病態が悪化してからなのです。

尿検査は、新鮮な尿を持参していただければ出来ます。
もちろん、液体状ではないといけませんし、ペットシーツに吸い取られたものを搾り出されても、尿の濃さは変わりますので、測ることが出来ません。

なるべく不純物が無く、新鮮なものが必要です。

その他、どうしても、尿が取れない場合、病院によっては、尿の管をいれて採取したり、エコー(超音波検査機)で見ながら、針を直接膀胱に刺して採取することもあります。
(尿の採取は、直接、かかりつけの動物病院にお尋ねください。)

私は、尿検査は、負担が少ないと言う観点から、なるべく持参していただくようにしています。


さて、これからが重要です。
少し前までは、尿検査の機器は、人と同じものを使っていました。
それで正しいと習っておりましたし、代診時代もそれがスタンダードでした。

しかし、ここ近年、特に猫ちゃんは、専用の機器を使わないと、診断に誤差が出てくることがわかりました。
2008年の講習でそのことを知ったのですが、その専用の機器が日本では発売されていない。
輸入する?と言う話になりました。

しかし、2009年4月、講習の時に話題になったものと、別なメーカーから発売されました。
この機器、尿の濃さを測るだけなんですが、ん~万円するんです。
発売と同時に、即決して購入しました。
nyouhijyuu.jpg

話はそれますが、この機器の色違いは、たまにテレビで見ます。
これはオレンジなのですが、確かブルーです。
糖度計として、テレビで見ますが、この前、機械の使用方法がわからず、右往左往されていたので、「あ~私が測ってあげる。」
って、感じで、かなり脱線しました。


それで、尿の希釈されているかそうでないかの基準があるのですが、人用の機器で測ると、大きめの数字で出てきます。
これだと正常と判断された場合でも、動物用で測りなおした場合、特に猫の場合、基準に引っかかってくると言うラインがあるんです。

なので、ちゃんと、動物専用の比重計を使わないといけません。
尿検査時は、比重のみならず、尿試験紙を用いた検査や、尿の沈殿物を調べる検査なども併用します。


定期的に、尿検査を受け、もし、異常値が見られたら、合わせて血液検査もしましょう。
一般的尿検査は、費用も比較的安価で、自然排尿の場合は、動物に負担をかけない検査です。


治療なども書きたかったのですが、かなり長くなったので、また、腎臓病の病態のこと、治療のことなど、機会があれば書きたいと思います。

慢性腎臓病は、治ることがありません。
人間の場合、透析や腎移植になると思います。

治ることない病気だからこそ、なるべく早く気づき、病気の進行を緩やかにしてあげることが、必要なのです。

*注意* この情報は、2010年8月現在のものです。 獣医療は、年々進歩しております。



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