続・膀胱結石と子宮粘液症の同時発症例
2011 / 01 / 12 ( Wed ) 16:30:01
昨日の症例のまとめです。

*膀胱結石*
膀胱結石は、結石の種類によって、治療方法が異なります。
膀胱感染が原因で起きることも、食事のアンバランスで起きることも、先天性の代謝異常によって起きることも、本当にいろんな原因で起きます。

ただ、どの状態であれ、お水を飲む量を増やしてあげることは、再発の予防になります。
しっかり運動をするとか、冷たすぎないお水を用意するとか、フードの水分量を増やしてあげるとか・・・。
何かしら、お水を飲みやすくする工夫をすると治療・予防の成果が、よりあがります。

結石の種類によっては、食事療法だけで治せるものもあります。(飲水量の増加は大前提です。)
ですから、中には結石を見つけても、手術をしないケースもあります。
ただ、食事によって溶かす治療も、良い事ばかりではありません。
中途半端に小さくなった結石は、男の子・女の子問わずに、尿道に降りて来て、つまると言うリスクはあります。
つまった場合、早急に対応しないと、急性腎不全を起こし死亡することがあります。
また、治療に際しては、エコーやレントゲンを用いて、完全に溶けてしまうまでマメにチェックをし、その後も食事療法を続けることが多いため、定期検査は必要です。

今回の症例も、実は、食事療法適応の石ではあったのですが、ひどくなりすぎて、とけるまで待っていることは出来ませんでした。
また、逆に食事療法に反応しない石もあります。
メリット・デメリット、そして、この子の今の状態などを総合的に考えて、かかりつけの獣医師とよく相談し、現時点でベストだと思われる方法を選択したほうがよいと思います。
生き物です。
ですから、状況は変化していきます。
そのため、『現時点で。』と言う言い方をしています。
臨機応変に対応できる心構えも必要です。

膀胱結石は、食事療法やサプリメント療法などを取り入れるケースが、多くあります。
サプリメントも含め、以下、食事療法と略します。(若干意味合いは違いますが・・・。)
食事の種類は、結石の種類により異なります。
結石治療の食事やサプリメントについては、定期的に主治医を受診し、エコー検査、レントゲン検査などの画像評価に加え、尿検査(必要により血液検査)を行わないと、危険です。
誤った食事療法で、新たな病気を作る危険性もあります。

誤った食事療法とは・・・。
定期検査を含め、かかりつけの獣医師と相談や診察をせずに、食事療法を開始・継続したり、獣医師の指示に反した行為をしたりすることです。
たかだか食事ではありません。
食事療法は、栄養指導という、治療を行っているのです。
主治医の先生とは、メールや電話だけでなく、診察室で相談しながら、ベストな治療を選択してください。

インターネットの情報だけで、自分で判断するのはやめましょう!
信頼できる獣医師としっかり話し合いましょう。

そのためには、『隣の芝生は青く見える』ではないですが、あっちフラフラ、こっちフラフラではなくて、飼い主様自身も獣医師と信頼関係を築く努力は、必要だと思いますよ♪

定期的な検査で、検査結果によっては、食事内容が変更されることは多々あります。
一度処方してもらったから、一生ずっと同じではありません。
主治医から、適切な種類、適切なサイズ(袋の大きさ:~kgなど)を処方してもらいましょう。
途中、他院で処方してもらったりした場合、経過がわからなくなることがありますので、きちんとした治療をされるのであれば、主治医から継続して処方を受けてください。

なによりも、動物のために、獣医師と飼い主様と、一緒に考えていく体制を作っていきましょう。
(当院のかかりつけの方のみならず、飼い主様には、そういう気持ちで、獣医師も含めた動物病院のスタッフと、良好な関係を築いていただきたく思い、日々、ブログを更新しているのです。


膀胱という臓器は、風船に例えてもらうとわかりやすいと思います。
弾力性があり、伸びたり縮んだりします。
しかし、膀胱結石の症状が出て経過が長すぎると、膀胱が線維化という状態になり、硬くなりすぎて、伸びたり、しぼんだりする事が出来なくなります。

分厚くガチガチの硬い袋を、想像してください。
排尿する為の収縮もできませんし、おしっこを溜める為に、広がることもできません。
ある一定の大きさのままです。
膀胱内で、ある一定量を超えた尿が、自然と外に漏れ出る。
池にたまった水が、ちょろちょろと川のように流れる状態と同じです。

そうすると、手術は成功しても、お漏らしが治らないと言う事にもなりかねません。
私は、そこまでひどい症例を、みたことはありませんが、一生治らないケースもあるとの報告があります。

排尿の異常に気づいたら、なるべく速やかに、動物病院を受診してください。



*子宮粘液症*
この状態では、ほとんど症状は見られません。
場合によっては、粘液が陰部から漏れ出てくるかもしれません。
これは、ホルモンバランスの異常でおき、これにバイ菌が入り込む(細菌感染など)を起こすと、子宮蓄膿症となり、気づくのが遅くなると、死亡するとても怖い病気です。

以前ウサギさんでしたが、子宮粘液症で、ひどく子宮がはれ上がり、全体重の約半分まで占めるまで大きくなっていました。
そのため、食欲不振、ふらつき、外見上腹囲の増大(飼い主様は、肥満と言っていました。)の症状がありました。
見た目は肥満のように見えましたが、拡大した子宮によって、胃腸が圧迫され、十分食べることができなかったため、肋骨が出ていました。
2kgクラスのうさぎさんでしたが、確か、術後は1.2kgだったと記憶しております。

半年前に他院にて、陰部からの出血ということで、膀胱炎と診断されたそうです。
実際は、その時の症状は、子宮疾患の兆候ではなかったのかなぁ~と思います。
血尿が、膀胱炎と誤診されるウサギさんのケースは、多々あります。
ちなみに、うさぎさんに生理による出血はないですからね。
陰部からの出血は、異常事態ですよ。


子宮蓄膿症については、また、あらためて症例写真など交えて、詳しくUPしたと思います。

いずれにしても、婦人科の病気の予防のために、避妊手術をすることをお勧めします。
避妊手術が、まったくメリットだらけというわけではありませんが、総合すると、避妊手術をすることをお勧めしたいと思います。
代表的なデメリットは、肥満傾向と言うことは、すでにご存知の方が多いと思います。
しかし、予防的な手術の方が、動物の体力的な負担も、飼い主様の金銭的な負担も、どちらにしても少なくて済むのです。

傷の大きさも、明らかに違います。
病気を発症した場合、死の危険性がかなり高くなります。

大切な家族だからこそ、しっかり考えましょうね。




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  mayuさんへ

はじめまして。&返信がとても遅くなりました。

私の気持ちが伝わってとてもうれしいです。
mayuさんが、書き込んでくださった内容を見ると、今のかかりつけの先生とよい関係を築けているんだろうなと察します。
そしてこれからも、mayuさんの大切なペットのためにも、積極的に獣医師と連携体制をとっていって下さったら、一獣医師としてうれしい限りです。

きっと困ったときに、よい方法が見つかる確率が高くなると思いますよ。v-10
by: kiyomi * 2011/01/29 19:37 * URL [ *編集] * page top↑
 

我が家は清美先生の病院にかかっているのではないのですが
このブログを読んでいて 獣医師とのコミュニケーションは大切だと思いました。
動物は言葉を話せないから特にそうですよね。

診察時に日々の生活のことなど先生に話すだけでも
全然違うんですね!
病気のときだけでなくって体重測定などで元気な姿をみてもらうことも大切なんですね。

by: mayu * 2011/01/12 19:20 * URL [ *編集] * page top↑
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