包丁が!!!
2010 / 11 / 27 ( Sat ) 15:39:28
とある夕方。
「先生、○○ちゃんに包丁が落ちてきて、じゅうたんが血まみれで・・・。」との電話。

うぎょ!
とにかくビックリ。
「すぐに、どうぞ。」

病院にいらっしゃって、すぐに待合室で、状況確認。

今のところ、血は止まっている。
そんなに大きなケガではないな。
ちょっとかすったんだろう。

ざっと見た感じでは、そんな感じだったので、他の患者さんの診察を先に済ませ、平行して準備をして、待っていただきました。


診察に入っていただいて、血で毛がかたまり、状況があまり見えないので、「毛を刈らせてください。」と申し出ました。

飼い主様「先生、生えてきますか?」

私「ほとんどのケースで生えてきますが、ごくごくまれに、毛が生えないケースもないわけではないです。。。」

飼い主様「毛を刈らないで、診てもらえませんか?」

私「毛を刈らないと、きちんと診ることが出来ないし、刈ります。いいですね。」
だいたい私も、こんなに強引に通すことはないのですが、どうしても、きちんと確認したくて。

少し刈ってみました。
思ったより、結構、切れていました。

私「結構、傷が大きいので、縫合しなければなりません。しっかり刈っていいですか?」

飼い主様「・・・。(うるうる・・・。)」

私「刈りますね。」

飼い主様「その中間で。」

私「(^^;。」

確かに、すごく目立つところだし、もし生えてこなかったら、いやだっていう飼い主様の気持ちも分からないわけではない。
獣医師としてと、飼い主としてと、両方の気持ちを自分の中で戦わせて・・・。
仕方ないなぁ~。
ギリギリの所で行くかぁ~。


毛を刈り、傷を確認すると、さらに傷が大きいことにビックリ。
皮膚は切れ、皮下組織も切れ、筋肉の一部も切れていました。
背骨に当たって、包丁が止まったって感じでした。

毛刈りが終わって、刈るときに入った毛や、もろもろをしっかりきれいにし、局所麻酔をして・・・。
何度も何度も、消毒と、入った毛を、直にピンセットで取り。
消毒で止血が再度出てきて、見た目には悲惨な状態。
一般の方には、せっかく血が止まっていたのに、私が出血させたっていう風に映るだろうなぁ~って、こういう治療をしているときは、若干、冷や汗になる。
ただ、これは想定範囲内で、出血させずに消毒することは、まず無理という状況なのです。
もしみなさんの飼っている動物が、出血が止まっているのに、治療で再出血したときは、先生は、分かった上での治療なので、ご理解いただけると助かります。

って、今回の子の飼い主様が理解してくださらなかったとか、何かがあったわけではないので、誤解なきように。
きちんとご理解とご協力の上、治療させていただきました。

さて、傷の汚れは、きれいになりました。
縫合です。

ただ、今回の傷は、皮膚に対して垂直ではなくて、深さ方向に斜め45度くらいに入っていたので、傷をピタッと合わせるのが難しい。
針の刺入位置や角度、糸の引っ張り加減で、簡単に段差になる。

慎重に縫合し、出来上がったところ。
houtyou1-2.jpg
段差を作らず、ぴったり縫合できました。
縫合が終わって、冷静になったところで、写真を撮ってもいいですか?と、撮影。
快く撮影に応じてくださって、あぁ~、縫合前の傷も撮っておけばと後悔。
縫合が終わった写真だと、どれだけ、わんちゃんが大変な思いをしたかが伝わりにくいですよね・・・。


縫合部を壁などにこすり付けてはいけないので、包帯を。
houtyou-2.jpg


途中、経過観察と消毒(数回だけ)で、見せていただいて。
縫合から2週間。
抜糸の日です。
houtyou-3.jpg
毛も生えてきましたね。

飼い主様との治療当日のやり取り(刈りたい。→毛が生えないかもしれないからダメ。→でも治療できないから刈りますね。→その中間で・・・。)も、笑い話になり、飼い主様と笑ってお話しました。

かさぶたは、わざと残しています。
自然に落ちるまで置いておいたほうが、傷は目立ちにくくなります。
傷は、バッチリきれいに治りました。
かさぶたが取れれば、ほとんど目立たない傷になるでしょう。

動物は毛が生えたら、傷は見えなくなるからって、気にしない先生が多い(ごもっともではあるのですが・・・。)ですが、私は、なんだかこだわります。
自己満足でしょうけどね・・・。
でも、『傷を目立たせないことで、飼い主様の心を傷つけない。』って思うんです。
今回の怪我についても、もちろん十分反省されているし、傷を見るたびに心を痛めるって、かわいそうだから。

避妊・去勢手術後も、なんだか、飼い主様自身の判断でつけてしまった傷って言う罪悪感。
でも、傷が目立たないほうが、そう言う辛い気持ちを背負わせなくてもいいでしょ?
変な事を考えますよね。。。(かわった獣医師だと自分でも思います。)

実際、私も一人の普通の?飼い主です。
自分の飼っている子に手術をして、術後の傷が目立たないと、やっぱりホッとしますし、傷が目立ったら、見る度に何か思うことがあるかもしれないって思うんです。

そんな気持ちで、手術をするときは、可能な限り目立たないようにがんばっています


この写真だけ、左右逆です。
全体像です。
houtyou-4.jpg


抜糸が終わって
私「ブログにアップしてもいいですか?」

飼い主様「いいですよ。」

私「ついでに、顔写真なんかも、載せてもいいですか?」

飼い主様「いいですよぉ~。」

では、パシャリ!
houtyou-5.jpg


最近、台所での事故が増えています。
この子の場合は、包丁を調理台において飼い主様は、キッチンから離れていたそうです。
戻ってきたら、部屋のじゅうたんが血まみれで、この子を見たら、血が出ていて・・・。
なんで???ってキッチンに行ったら、包丁が落ちていたという状況だったそうです。

他にも、揚げ物の最中に油が飛んで、背中にやけどをしてしまったウサギさんなど・・・。

台所は危険です。

調理中は、気づかずに蹴飛ばしたり、踏んでしまったりするかもしれませんし、調理器具を落としてケガをさせてしまうこともあるかもしれません。
作業中は、台所に近づかせないような工夫をお願いいたします。


『情報提供することで事故を未然に防ぎ、同じ思いをする方を減らすことが出来たら・・・。』と言う、飼い主様のご好意により、UP出来ました。


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